「今度パパに内緒で花火を観に行こう」
「花火ですか?」
「前に約束したでしょ?今度は花火を、って」
そう言って微笑んだ姫様を見て、嬉しくて幸せな気持ちと、少し前に公言された関係性に未だ折り合いの付かない気持ちとで、私の心は複雑に絡み合っていた。
本当の愛を教えて
“花火”と聞いて思い起こされるのは、幸せだった日々。姫様の秘密を私だけが共有していたあの頃は、姫様の苦労を知ってはいても、自分だけが特別だという関係性にこれまでにない幸せを噛み締めていた時期でもあった。
あれから姫様は陛下と和解し皇城へと戻ることとなったが、今もこうしてエメラルド宮へと誘われ、お茶を飲む機会を許されている。それは私が前皇帝の娘であるという事実が明らかになっても尚続いていた。
「姫様、そろそろ夕食をと陛下が」
幸せな時間の終わりがロベイン卿から告げられる。外を見るといつの間にか夕暮れ時だった。姫様と一緒に過ごすといつも時間があっという間に過ぎ去ってしまう。
あの頃ーーー事実を知らなかった私は、姫様とその父親である陛下と一緒に暮らす未来を夢見ていた。いつか、この二人と私も同じ時間を共有することになるのだと。
こうして姫様と姉妹ではなく従姉妹だということがわかった今では、血の繋がりという関係性が消えたわけではなかったが、同時に心の拠り所が消えてしまい虚無感に襲われることは度々あった。
「マグリタ様もよろしければご一緒にと」
「あ、私は家で父が待っているので」
ーーー父。血の繋がり、心の拠り所が消えるのと引き換えに現れた父という存在は、私が幼い頃から求めて止まない存在だった。しかし、元来父だと信じていた人間が、本当の父の仇だったと知った時には思考を放棄したくなるほどに、複雑な関係性は受け入れ難いものだった。
「それは残念ですね。もっと一緒にいたかったのに」
「さぁ姫様。早く行かないと陛下が拗ねてしまいますよ」
私の求めていた家族の形。果たして私は、あの父と15歳という年齢を重ねた今からでも、陛下と姫様の二人のような関係を築くことはできるのだろうか。いや、大丈夫だ。
「だって血の繋がった家族なんだもの」
ボソッと無意識に考え事を呟いていたらしく、姫様に心配の声を掛けられる。
「ジェニット?」
「すみません。少しボーッとしてしまいました」
「馬車を呼んできます。まぁ…大丈夫だとは思いますが気をつけて帰ってくださいね」
「はい」
部屋を出ていく姫様の姿を瞳の中にしっかりと焼き付ける。私と交流を望んでくれた姫様をいつまでも忘れないように。
私はちゃんと笑えていただろうか。宮殿のメイドに帰り道を案内されながら、馬車の中で一人きりになるまで涙は溢れないで、と自分自身に願う。
さようなら、姫様。花火まで見てしまったら、私はあなたを家族と思う気持ちを断ち切ることはできないでしょうから。
「おかえり。遅かったな」
すっかり日も暮れて夕食の時間が過ぎた頃、アルフィアス邸へ帰宅すると、既に食事を終えたであろうおじさんが声を掛けてきた。
「ただいま帰りました」
「皇城は楽しかったか?」
「はい」
馬車の中で泣き腫らした目に気付かれていないだろうか。やっと引っ込んだ涙を再び流したくなくて、俯きながら今日姫様と過ごした話をしてみせるとおじさんは、よかったなと一言呟いて、私の頭を優しく撫でた。
「ジェニット」
おじさんの優しい手のひらを感じてまた涙が目に浮かんできたとき、まだ慣れない少し冷たさを感じる声が背後から聞こえてきて、無意識に体が固まってしまう。
はい、と震える声に気付かれないように返事をすると、手招きをされたので動かない体を無理やり動かそうとする。すると、おじさんが腕を掴んで心配そうに見つめてきたので、大丈夫、と小さく呟いて安心させるように笑った。
「おじさん、ありがとう」
父・アナスタシウスの過ごす部屋へと招かれ、椅子へ座るよう指を刺されたので従うことにする。
目の前の父を見る。透き通るような金髪と、私と同じ宝石眼。父であることを忘れて見惚れてしまう美しさだった。
しかし、その美しい父が何を考えているのか、数ヶ月を一緒に過ごしてもよくわからないことが殆どだった。
本当の父だと知り、姫様との関係性に落ち込みながらも、やっと本当の家族と一緒に過ごすことができることに喜びを感じたのも事実ではあった。
だが15年も離れて暮らしていたからか、自分の想像していた父親像とは異なり、あまり娘に関心を示さない姿に私の心は折れかけていた。私がお茶に誘うと必ず応じてはくれるものの、いつも私が必死に用意した会話を披露するだけで、気だるげに相槌を打ちながら紅茶を飲む。まだ正体を隠し“紳士様”と“レディー”と呼び合い接していた頃のほうが話も弾んでいた。
私の行動を逐一把握しては小言を言ってくるおじさんのほうが、よっぽど父親らしかった。それは、私が生きてきた中で知っている父親という存在がおじさんだけだったからそう思ってしまうのかもしれなかったが。そんな中での、突然の誘いだった。
『ジェニット。二人で静かな所で暮らさないか?』
数日前に告げられた父からの言葉に、私の心は揺れ動いていた。一緒に行くとも、ここに残るとも言えないまま今日まで来てしまった。しかし、一緒に行く以外の選択肢は私の中に初めから存在しなかった。
「ここへ行こうと思う」
地図を見せられた場所は、アルフィアス領の南に位置する地だった。料理も美味しく、暖かく過ごしやすい気候だと聞いたことがある。これまで外に出たことのない私にとって、それは魅力的な土地に見えた。
しかし、広大なアルフィアス領の南に位置することもあり、アルフィアス邸は勿論、皇城までの距離は簡単に移動できるものではないだろう。想像していた通り、姫様とは今のような繋がりは無くなり、疎遠となってもう会うことも無くなるのだ。覚悟をしていたはずなのに、心の中で別れを済ませてきたはずなのにすぐ決心が鈍る自分自身に嫌気が差す。
「…遠いですね」
「ここよりずっと、静かでいい。目障りな奴もここにはいない。お前も一緒に行こう」
「あ…その……」
なぜ私に関心を示さなかった父が、急に私を連れて行こうとしているのかは分からない。それでも、やっと再会できた父親と離れて暮らすという選択肢は私の中にはなかった。だって、家族とは一緒に暮らすものだから。
「…まだあの子に未練があるのか?」
”あの子”という言葉を口に出した途端、父の目付きがひんやりとしたものに変わった気がして背筋が凍る。父だと分かる前に、“紳士様”へ姫様のことについて話しすぎてしまった自覚はあった。私がどれだけあの方のことを好いているか、早く一緒に暮らすことを夢見ていることなど、全て父は知っていた。
「未練はありませんが…今のように会えなくなったらこの関係も終わってしまうのではないか、と」
父はフッと鼻で笑うと私の頭を撫でた。おじさんとは異なり温もりの感じられない手に、そう感じてしまう自分自身に、私は悲しみに包まれた。
思い出深い部屋の品々を箱に詰めていくのはとても時間のかかる作業だった。おじさんやおばさんから貰ったプレゼント、イゼキエルから貰った本。一つ一つに思い出が詰まっていた。
全てを持っていきたいけど、馬車に乗る最低限の物だけしか持って行ってはだめだと聞いて、私は途方に暮れた。
「南方領は確かに離れているが、事業も盛んだから私もよく顔を出すんだ」
「そう、なんですね」
「イゼキエルもなるべく連れて行くようにする。お前も一か月に一度は用事を作ってここへ来なさい。そうだな、新たな事業の勉強にしようか。父親にも私から伝えとくから安心しなさい」
私が父に付いていくことが決まってから、おじさんは仕事の合間を見ては私の部屋を訪れに来てくれた。それが今の私にはひどく優しくて、同時に寂しさが膨らんでいく。
「ここには思い出がいっぱいありすぎて、どれを持っていこうか決められません」
「そのままにしておきなさい。部屋はたくさんあるんだ。お前の部屋もこのままにする」
「おじさん…そうしたら、私の家計は旅費だけで破産してしまいます」
涙を隠して笑うと、そんなもの私が出すに決まっているだろう、とおじさんも寂しそうにぎこちなく笑った。
「本当に行くのか?お前だけ残ったっていいんだよ」
「家族は、一緒にいるものでしょう」
「…お前には悪いが、私にはどうしてもあの方が父親になれるとは思えない」
「……」
おじさんの子供だったら私は幸せに生きていけたんじゃないかな、と私は零しそうになった言葉を飲み込んだ。
またその数日後、ある一通の手紙が私の元へと届き、差出人からの想いに胸に熱いものが込み上げることになる。
”アルフィアス公爵から聞きました。宮殿なら私とパパがあなたを守ることができる。ジェニット、宮殿へ来ませんか?Athanasia”
離れていても自分を気にかけてくれていることに、父と一緒にいることを決めとは言え、決心が揺らいでしまう。
そして私は背後から近づく人の気配に気づかず、後ろから手紙を覗き込む父の存在に気付いたときには、既に手紙を取り上げられていた。
ふーん、と中身を読みながら声を出した父は、手紙を魔法で燃やしてしまう。
「あっ…」
「クロードの娘の言うことなんて聞いちゃだめだと、言わなかったっけ?」
父と父の弟である陛下との確執は想像以上に大きいらしい。兄弟で殺し合うという状況を理解することはできないが、そこには私の知らない何かがあるんだろう。
「もう決まったんだ。ジェニットは同意したよね?」
「…はい」
「いつまでも公爵の家でお世話になるわけにもいかないだろう?彼は私に早く出て行って欲しいみたいだし」
「……」
私の動揺が顔に現れてしまったのか、父はため息を吐いて私を見た。
「私だけ出て行ってもいいんだよ。でも君が言ったんだ。”家族は一緒にいなければならない”と」
「……!」
血が繋がっているから義務として私を連れて行かないと行けないと思いこんでいるのでは、と思い絶望した。このまま置いていかれる、そう思った。幼い頃から望んでいた”家族と暮らす”という夢が目前に迫っているというのに、私が迷っているせいで。
震える私に、父は私と南方へ行くことを取りやめるとも言わずにその場を去っていった。
姫様への想いと父との関係、そしてこの地へ対する想いを馳せながら、引っ越しまでの日々を過ごした。
そして当日、馬車へ荷物を積み込む様子を眺めていた私に、おじさんは紅茶に付き合ってくれと言う。
誘われた部屋で、窓の外から選別した荷物が運び出されているのを見ていると、一際輝く馬車が門の前を潜り抜けてきた。おじさんは「あれ、今日来客なんてあったかな」と言いながら、気のせいか口元が緩んでいるように見えた。
馬車から降りてきたのは上品なワンピースに身を包んだお姫様。そう、この国の姫だった。
「なぜ姫様が…?」
御者がドアを開けるのも待たず、姫らしからぬ大股で邸内に歩みを進めていく姿に公爵邸の護衛騎士が急いで静止させようとするも、魔法で跳ね返されていた。
「シロおじさん!開けて!」
姫様の叫び声は室内まで聞こえてきて、おじさんはため息を吐いてメイドに姫様を通すように伝える。
大きな足音を立てて部屋へと入ってきた姫様と目が合ったのも束の間、恐ろしい形相をした姫様は私に「伯父さんは?」と尋ねてきた。一度どこかで見た記憶のあるあまりにも恐ろしい顔に言葉を失っていると、父が部屋へ現れた。
「私に何か用かな?」
「ちょっと伯父さん!ジェニットを勝手に連れて行かないでよ!!!」
「人の家庭事情に首を突っ込まないでくれないかな」
眉間に皺を寄せた姫様は今にも父に掴みかかりそうだった。一方の父はいつも通り顔に笑みを貼り付けながらも、瞳は笑っていなかった。
「君は本当にクロードによく似て沸点が低いな」
「なんですって?」
「私を今すぐ殺してやるという目をしている」
「伯父さんも顔は笑ってるけど同じでしょ」
突然勃発してしまった二人の睨み合いにどうしたらいいかが分からない。横に居たおじさんに助けを求めようとするが、特に動かず黙って二人を見つめているだけだった。たしかに、目の前にいるのは前皇帝と現皇帝の娘であるけれど。
「君のような人間とはジェニットを関わらせたくないんだ」
「それはこっちの台詞なんですけど」
おじさんは真顔で頷いているがどちらに共感しているのかは分からなかった。二人の言い合いはどちらも引くことなく続いていく。
「伯父さんと一緒にいるほうがジェニットにとって悪影響だと思う」
「家族は一緒にいるべきだ。部外者は黙ってくれないかい?」
「悲しいことに私たちは伯父と姪の関係で、ジェニットは私の従姉妹です。部外者ではありません」
「はぁ…ジェニットが仮にもクロードを父親に思っていた時期があっただなんて反吐が出る」
「パパのことを悪く言わないでくれる?」
「伯父さんとは違って、私はジェニットの好きな物をいくつも知ってる」
「そんなの私のほうが知っているに決まっているだろう。父親なんだから」
「はあ?突然現れて何よ!」
「君だってジェニットと交流し始めてからまだ一年も経ってないだろう」
いつまでも終わらない言い争いを真剣に聞いてしばらくが経ち、私は一つやっと気づけたことがある。
(もしかして、私のことを取り合っているの…?)
それは今まで感じたことのない気持ちだった。どこか恥ずかしくて、でも心が満たされるこの気持ちは、一体なんて表現すればいいんだろう。顔に熱が集まっていく。
「はぁ。たった一年過ごしただけで、よくもまぁあそこまで低俗な争いができるなと感心する」
おじさんは呆れたような口調で皇族に対して暴言とも呼べる言葉をボソッと呟いた。とても皇帝派とは思えない台詞だ。
「私なんて15年も一緒に居たんだ。この場で誰よりもお前を理解しているよ」
そう言って隣で微笑んだおじさんに感動する間もなく、鋭い目つきで怒り心頭中の二人が一斉に振り向き、おじさんに向かって罵声を浴びせる。
荷物をとっくに積み終えた御者が困惑したように外で待機をしているのが目に入り、私は一人この状況に困惑した。でも、でも、嬉しい。
「今すぐ行こうジェニット。お前の願いを何でも叶えてあげるから」
珍しく疲れ果てて手で顔を覆った父は私の腕を掴み外へ出ようとする。
「お、お父様…」
「!」
初めて口に出した”お父様”という呼称に心臓の音が早く鳴りうるさかった。拒否されたらどうしよう、と悩み続けて今まで呼べずにいたが、今なら許される気がした。父は口元を隠すようにして、なんだと一言発すると私から目を逸らす。拒否、されなかった。
「私…あ、アーティともっと一緒にいたいです」
「!」
意を決して父に叫んですぐ、勢いよく姫様から飛びつかれ抱きしめられた。嬉しそうな姫様に私までつられてしまう。そして、そんな姫様の肩越しに見えるのは、眉間に皺を寄せて苛立ちを隠し切れない表情で私を見てくる父の姿だった。
「ジェニット…お前…」
「あら、沸点が低いのね伯父さま」
「チッ」
いつも笑顔だった化けの皮が剥がれたように不快感を露わにした父に一瞬怯みながらも、今まで言えなかったことを言おうと決心する。
「でもお父様とももっと一緒に居たい。部屋が、遠いからもっと近いところで暮らしたいなとは思ってます」
私の言葉に、父は顔を少しずつ穏やかにして、そうだよね、と頷いた。そして一歩一歩私に近づくと、姫様を私から剥がして私を抱え上げた。
「これからは一緒に寝ようか」
「「「!?」」」
「家族は一緒に寝るものだろう?」
驚きのあまり言葉を失い父を見つめると、無垢な顔で首を傾げていた。そんな父の横腹に拳を繰り返し突き上げる姫様は叫ぶ。
「はあ!?何考えてるの伯父さん!私だってパパともう寝てないよ?」
「クロードと君がどう過ごしているかなんて私には関係ないけど?」
「ジェニット、宮殿に来て私と一緒に寝よう。あの頃みたいに」
”あの頃”とは姫様がアルフィアス邸の私の部屋に滞在していた時のことだった。勿論、その事実を知らないおじさんは「あの頃?」と顔を歪めた。
「ダメだ」
そう父が拒否し、姫様との論争二回戦が始まろうとしていたが、姫様が目を伏せて口元をニヤリと吊り上げるとその開戦に待ったをかけた。
「そんなにジェニットを一人で宮殿に行かせるのが嫌ならいつもみたいに伯父さんも来れば?今度は空からじゃなくて正門から入ってきてよ。そしたら入れてあげても良いよ」
「……元々あそこは俺の家でもあるだろ」
「素直じゃないなぁ。素直じゃない者同士でパパと一緒に寝れば?パパの部屋、無駄に広いベッドがあるからさ」
「小娘…!」
悔しそうな顔をした父を見たおじさんは大きなため息を一つ吐くと、諦めたように私のほうを向いた。
「ちょっとこの二人に任せておくのは心配だから、やっぱりお前はこのままここで暮らしなさい。お父様も一緒でいいから」
「おじさん…!」
「…早く首都から離れたかったんだけどな。まあここ住み心地はいいから我慢してやるか」
いつまでも上からな態度を取る父におじさんからは苛立ちも感じ取れたが、おじさんが折れる形で今回の騒動は収束した。
私は自分が想像していたよりも、自分の好きな人たちから必要にされていたことが嬉しかった。この国の姫でなかったとしても、家族と、姉妹同然の友人と、おじさんに囲まれている。これがずっと求めていた愛なんだとわかった時には、胸が苦しくなり涙が込み上げてきた。
「それでジェニット。花火の日程なんだけどね」
「娘の門限は17時なので花火は見せられません。なぁ?公爵」
「はい」
「はぁ!?」
「まあどうしてもというなら保護者が付いていく必要があるでしょうね」
「ちょっと待ってよ!もう私たちデビュタント終えたんだよ!?」
「陛下もきっと同意なさるでしょう」
「くっっっ」
誰も言い争いを止める人間が居ないまま、しばらくの間このやり取りは飽きもせず続けられた。
この場がお開きになったのは、帰宅したイゼキエルによって「引っ越しをする前皇帝の娘を止めに馬車を猛スピードで走らせた姫が公爵邸で暴れているらしい」という騒動が街中に広まっていることに、苦言を呈されてからのことであった。そしてやっと、朝早くから馬車の支度を整えていた御者は、馬を引くことなく解放された。
それからの私はこのままアルフィアス邸で暮らし、たまに父と出かけたり、姫様へ会いに皇城へ足を踏み入れてと変わらない毎日を過ごしている。
いや、気持ちは大きく変わった。あの地獄のような日々が、大切な人からの愛によって色づき始めたのだから。
花火を観に行くことは禁止されてしまったが、それでも姫様と二人、瞬間移動を使って夜の街を内緒で散策した私の宝物となった思い出は、また別のお話で。
Fin.
―――
アナスタシウスパパは、ジェニットが一人頑張ってお茶に誘って話をしている姿にほだされて、「俺の娘可愛い。姫邪魔。もう会わせない」と暴走している裏設定で。
「家族は一緒にいるもの」と言うジェニットにうん、そうだよね、と洗脳されてほしい。洗脳されやすいだろうし
あと、ジェニット理解に対してマウントとってくるシロおじさんが書けて満足です。
ある姫は本当に親子愛が尊いなぁ。
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