Extra Edition. 樹の下へ帰り再び願う

 眩しくて瞼を開けると、白一面に広がる景色が視界へ入った。またここか、それが一番に考えたことだ。なぜこの場所へいるのか、記憶を辿ると、死ぬつもりで大量に睡眠薬を摂取し眠りについた最期の夜を思い出す。
 
「ここは死後の世界ってことなのね」
 
 両親の愛も無ければ、今回は周りに手を差し伸べてくれる人すら居なかった。自分の周囲が持つ当たり前の環境が、なぜか私には無い。私はその昔、大罪でも犯したのだろうか。その人生の闇を嘆かずにはいられなかった。
 
「ただ、親からの愛が欲しいと願ってはいけないのかしら」
 
 白く光る大樹の幹に手を触れてみると、それはとても温かく何らかの意志が宿っているように思えた。
 
 目を閉じれば、思い起こされるのは先程まで生きていた人生ではなかった。その昔、父親の手によって絶たれた人生のことが、昨日のことのように呼び起こされる。
 
 外の世界を見せてくれた魔法使いの姿や知恵を与えてくれた公子の姿、両親に変わり愛情を与えようとしてくれた騎士を思い出す。今思えば、少なくない数の人に愛された人生だったのかもしれない。
 
 それでも目に浮かぶのは、九歳の頃に迷い込んだ先で見た、神々しく輝く父の姿だった。
 
 孤児であった今の私にとっても、唯一の父親だった男。彼に認められたいがために生きた短い人生だった。だから誰に好意や愛情を与えられようとも、私の心が最後まで満たされることはなかった。
 
 
 
+++
 
 
 
 その昔、姫であった私の幼少期は常にリリーというメイドが身の回りの世話をしてくれていた。そこで読み聞かせられた本に必ず登場する“親”という存在へ次第に興味を持ち、それはいつも傍にいて笑顔を向けてくれるリリーが私にとっての存在なんだと勝手に思い込んでいた。
 
「姫様、私は姫様の母親ではないんです」
 
 俯きながら口を開いたリリーに、幼いながらにこれ以上追求してはならないと察した。他の人間に聞けば、私には母親という存在がいないらしい。意地の悪そうなメイドが楽しそうに教えてくれた。
 
 その日から、リリーの読んでくれる絵本の主人公は孤児の設定で、血の繋がらない継母に虐められるような話が多くなった気がする。両親の愛など、期待をしてはいけないと言われているようだった。
 
 しかし、私はそれでも良かった。傍にはリリーがいてくれたし、その後私の元を訪ねてくれるようになったフィリックスという騎士が孤独を埋めてくれたからだ。いつか本の主人公のように王子様と幸せになれるのであれば、親など必要ないのだと、自分に言い聞かせることにした。
 
 それでも、心のどこかで二人が遠ざけようとする両親という存在に対して興味が捨てきれなかったのだろう。
 
 九歳の時、賑やかな灯りに誘われて歩いた先に、この世のものとは思えない美しい男がいた。誰に紹介されたわけでもないが、男の瞳が自分と同じ宝石の輝きを持っていたからか、直感的にこの人間が自分の父親であると悟る。男は私に興味も無さそうにすぐに去っていったが、私は暫くその場に立ち尽くした。
 
 後日、フィリックスに父について尋ねると、とても言いにくそうにその存在を認めた。
 
 本で読んだ家族は、常に同じ場所で寝食を共に過ごし、コミュニケーションを深く取っていた。父親がこれまで私に対して無関心だったことは、この帝国のトップに君臨する皇帝であることから、一般的な父親像に当てはまらないと理解した。
 
 だから例えあの日、デビュタントの夜にフィリックスが父の命に従い私から背を向けたことも、仕方のないことだったと今なら思う。逆らえばフィリックスの命が危ぶまれる。それは私の本望ではなかったし、父に存在を認めさせる挽回のチャンスはまだいくらでもあると、嘲笑する貴族たちの視線に堪えながら自分を鼓舞し続けた。
 
 あの瞬間までは。
 
「こちらが陛下の血を引くジェニット姫です」
 
 白髪の貴族が紹介した少女は、ひどく愛くるしい顔をして父の前に立ってみせた。淡い水色の生地にピンクのリボンを装飾にしたドレスを身に纏い、保護者と絵本に出てくるような王子を両脇へと侍らせた少女は、姫と呼ぶに相応しい。
 
「俺の娘とは……面白い。詳しい話は謁見室で聞くとしよう。俺は戻る」
 
 予想外の父の台詞に、事の重大さを遅く理解した私は、頭が真っ白になった。
 
 これまでフィリックス経由で依頼した私の謁見を一度も受け入れなかった父が、その少女の顔をたった一目見ただけで受け入れた。その事実は私が今後、どれだけ努力をしても報われることのない未来を想像させて、私はその場に立ち尽くすしか無かった。
 
 同じ色をしたドレスを着ている自分が、見窄らしく思えて恥ずかしくなった。そんな私を連れ去ってくれる王子様も、守ってくれる両親も、誰もいない。
 
 
 
 その時感じた危機は私の願いも虚しくすぐに訪れた。父はジェニットを第二皇女として受け入れ、実の娘として寵愛するようになる。アルフィアス家に権力を集中させたくない人間が、私を第一皇女として祭り上げる度に、父は顔を顰め私を遠ざけた。
 
 そんな父の態度に一度、堪えきれなくなった私は父の足元へ縋ったことがある。
 
「ジェニットのようになれば、ジェニットのようにやさしく名前を呼んでくれますか?」
 
ーーーその冷たい声ではなく、“アタナシア”と慈しむように名前を呼んで。
 
「温かい眼差しで見つめてくれますか?」
 
ーーー親子である証の瞳を冷たく輝かせず、目尻を少し下げて。
 
「もうその手で私を振り払わないで抱きしめてくれますか?」
 
ーーーため息を吐きながらも、満更でもない顔をして。
 
 父のジェニットに対する振る舞いは、私が幼い頃リリーに読んでもらった、そしてリリーが読んでくれなくなってからもこっそりと読んでいた本に出てくる父親に日に日に近付いていった。
 
 そんな父の変化をもたらしたジェニットへ激しく嫉妬した。私に接触するジェニットの笑顔が悪魔の微笑みに見えるほどに、私は怒りを抑えきれなくなっていった。
 
「そんな日は永遠に来ない」
 
 父の冷たい言葉に、乾いた笑いが喉を鳴らす。本当は少しだけ、期待していた。その愛情を私にも向けてくれはしないだろうかと。
 
「俺はお前を娘と思ったことが一度もない」
 
 存在を否定されているのに、私はもう父の愛を諦めることができないところまできていた。
 
 父に愛されないこんな世界など滅んでしまえばいいのに。でも、もし父が私を受け入れてくれることがあれば、もう一度真っ当に生きたっていい。
 
 どうせ願ってもそんな幸せな日など訪れることはないのだから、世界ごと道連れに消えてしまいたい。でも父の愛を受けて生きてみたい。私の中では相反する二つの気持ちが毎日のようにせめぎ合っていた。
 
 
 
「こんにちは」
「……誰」
 
 心の隙間を埋めるように外の世界を見せてくれた魔法使いルーカスが居なくなり、また退屈な日常へと戻ったとき、その男は突如として現れた。
 
 どこかルーカスを思い出すその人は、容姿だけ見ると父にそっくりだった。庭園への不法侵入を咎めても、私の言うことを聞き入れる人間がここにはいない。そして父に似た男を無下には出来ず、考えた末に話を聞き入れることにした。
 
「第一皇女のアタナシア姫様ですね」
「そうですが」
「随分お辛そうに見える」
「……貴方には何も関係ありません」
「あなたは紛れもない皇帝の娘であるのに、皇帝はもうひとりの娘ばかり可愛がる」
 
 改めて指摘されなくても誰もが知っている事実だった。わざわざ無礼を口に出し、名ばかりの皇女である私をからかっているのだろうかと不審感を募らせるが、男が続けて話した内容には驚きの余り、思わず言葉を失ってしまう。
 
「第二皇女は、皇帝の娘ではないのですよ」
「何を……言っているの?」
「驚くのも無理はありません。第二皇女には皇族の証である瞳がある。そして、彼女は皇帝の元婚約者である女を母に持つ」
 
 赤い瞳は私から視線を逸らさず、口元は怪しげに緩んだ。私が口を挟む間もなく、でも、と話を続ける。
 
「彼女の父親は皇帝ではありません。同時期に殺された先帝が、彼女の本物の父親なのです」
 
 なぜその事実をこの男が知っているのか、私には分からなかったが、男の口から続々と明かされるジェニットの出自から興味を逸らせない。そして、疑問が一つ。
 
「私は……」
「アタナシア様は紛れもなく皇帝の娘です。纏う魔力がそっくりだ。そしてかつて皇帝が寵愛した踊り子に瓜二つ」
 
 リリーとフィリックス以外から聞かされる私の母親。皇帝の一夜限りの相手、低身分、売女、二人以外から語られる母はそれはもう聞くに堪えない話ばかりだ。
 
「父が……寵愛した……?」
「そうです。有名な話ですよ」
「そんな……」
 
 それではなぜ―――?愛した女の娘である私に対してなぜ―――?
 
「父はなぜ私を厭うのでしょうか」
「そう仕向けてる人間がいるということですよ」
「まさか……」
「第二皇女側の人間でしょうね」
 
 初対面の男の話を鵜呑みにしてしまうほど、その時の私は正常な判断ができる状態ではなかった。混乱させてしまい申し訳ない、と告げた男はパターソン子爵だと名乗り去っていく。この日を境に、孤独な私は訪ねてくる彼に心の不安をしばしば溢すことになる。
 
 
 
 それから私に何かと接触しようとするアルフィアス公子を受け入れた。初対面ではおとぎ話の中の王子様でジェニットの婚約者。子爵の話では、アルフィアス公爵の手の内で動き、ジェニットの敵である私の動向を探ろうとする青年。
 
 イゼキエルに対して最初は抵抗が強くあったが、交流を重ねる内に彼からの敵意とは異なる視線に気付き始める。これが相手側の策略で、私を陥れようとしているのであれば罪な男だと思う。それでも、おとぎ話の主人公になった気分に酔いしれる彼とのひと時から中々抜け出せずにいた。
 
「僕と一緒にここから逃げませんか」
 
 嘘か本当か分からない誘い。イゼキエルの表情は真剣のように思えた。例え裏切られても、この手を取れば幸せになれると一時の夢に浸ってもいいのではないか、そう決心が鈍る。
 
 しかし、もう全てが遅かった。
 
「ジェニット様が……!」
 
 エメラルド宮のメイドがイゼキエルの元へと駆け寄る。私は、このメイドが何を報告するのか知っていた。
 
「ジェニット様が、毒を含まれて……!」
 
 私はこの国で、やることがある。ジェニットがここから居なくなれば、父は私に目を向けてくれるのではないだろうか。ジェニットに絆され穏やかになった父であれば、私のことを受け入れるのではないか。例えそれがジェニットの代わりだとしても、一度愛した女の娘である私を。
 
 そんな願いも虚しく、物が散乱した宮殿の中へと連れて行かれ、荒れ狂う父の前で跪かされる。
 
「お前がジェニットに毒を盛ったのか?」
「お父様、違います!」
「陛下! 第一皇女が毒を盛ったと証言する者が……!」
「処刑を命ずる。二人まとめて地下牢へぶち込め」
 
 父の冷たい眼差しが突き刺さる。こうしてイゼキエルと共に地下牢へと連れて行かれて初めて、彼の私に対する想いが本物であると気付かされた。それでも、例えジェニットが居なくなろうとも父から愛されることはないと悟り、全てがどうでも良くなるほどこの世界に絶望した。
 
 
 
 地下牢へ閉じ込められて、一日も経たない内に、私の檻の前に一人の男が現れた。
 
「……あなた、私を嵌めたわね」
 
 ジェニットがいなくなれば父は彼女に向けている興味を私へ向けると子爵は説いて見せた。私はまんまとその言葉を鵜吞みにして、ロザリア伯爵夫人が毒を盛るという彼からの情報をジェニットには明かさずに、計画通り事件は起きて今ここにいる。
 
「そんなつもりはございませんでした。皇帝に掛けられた呪いは非常に特殊なものだということが今回の件で判明したのです」
「呪い……?」
「第二皇女が死ねば解けるかと思いましたが……」
 
 父が私を憎むように仕向けられていると言ったのは、呪いが影響しているのだという子爵の話に、なぜか納得した。私の顔を見る度に顔を歪ませ、頭を押さえる。私を憎むように呪いが掛けられていたとしたら、これまでの父の行動が少し受け入れられる気がした。
 
「あなたの命が媒介となって呪いが成立している可能性が高い」
「……」
「あなたは死して初めて、皇帝の記憶の中で生き続けるのです」
 
 子爵のその言葉は、とても甘美な響きで私を誘惑し、思考を停止させた。死と引き換えに父の記憶に私と言う存在が刻まれる。それはずっと私がずっと望んでいたことだった。存在を認められぬまま生きる地獄より、死という選択肢のほうが私は幸せになれる、そう思うことに時間は掛からなかった。
 
「二度と俺の前に姿を現さないと言うのなら」
 
 その後現れた父の言葉には全く惹かれなかった。そんなことをしてなるものか、と決心した気持ちが揺らぐことはなく、これで最期になるであろう父の顔を目に焼き付ける。相変わらずこめかみを押さえながら私と話す姿に、その痛みは私が影響しているのだと思うと、どこか高揚して心がざわついた。
 
「イゼキエルの釈放を求めます。私一人の独断です」
 
 子爵の話が事実であれば、私の死後、この世界は父によって混乱するだろう。その混乱に乗じて、私を想ってくれたイゼキエルが生き残り、そして私の託した願いを叶えようと奮闘してくれるだろう。
 
「さようなら、お父様」
 
 父の後ろ姿を最期の瞬間まで忘れないように見つめた。その後、フィリックスも私の元を尋ねてくれたが、私の気持ちが変わることはなかった。
 
 
 
「(両親に変わって愛情を与えてくれて、ありがとう。でも私は最期までお父様の中で生き続けたいの)」
 
 処刑台へ一歩一歩足を進めながら、この短い人生で関わった人々を思い出す。
 
「姫様っ!」
 
 リリーの叫び声には聞こえないフリをする。もし、あのまま父を望まなければ、リリーとフィリックスと寂しくも僅かな幸せを噛み締めて生きていくことができたのだろうか。素直にルーカスの手を取り外の世界で暮らせば、イゼキエルとここから逃げていれば、このような結末を迎えることも無かったのだろうか。ひとしきり考えて出た結論は、それでも私はこの結末を望んだ、ということだった。
 
「愛しいお父様。私のこと、娘だと気付いて苦しんでね」
 
 願いを口に出すと、なぜか涙が零れた。最期にもう一度、と家族の証である同じ瞳で高い位置から私を見下ろす父を見る。私が死ねば私の記憶が蘇るようになるという嘘か本当か分からない話に縋って死にたい。嘘でも大丈夫、だって私にはルーカスがいる。
 
「どうせもうオベリアは、この後すぐに炎に埋め尽くされるのだから」
 
『魔法使い……ですか? 彼に連絡を取れば姫様は救われる、と?』
 
 私が死ねば、混乱に乗じて脱出するであろうイゼキエルが、ルーカスへと連絡を取るだろう。
 
『俺はこの帝国一つくらい簡単に火の海に沈めることができるんだぜ?』
 
 私を一人の女性として扱い、私の元を離れることに最後まで渋っていたルーカスは、私が処刑されたことを知り、父がいて私のいないこの帝国を滅ぼすだろう。
 
『すごい! そんな魔法が使えるのね!』
『まあな。禁忌の魔法は代償を伴うから、ちょっと怒ったくらいじゃ使えないけどな』
『……何があればその魔法を使う?』
『んー? そうだな、大切なモノを……奪われた時……とか? わかんねえけど』
 
 どこまでも広がる海を見て話したルーカスの言葉だけが、辛く暗い日々の中で生きる唯一の支えだった。父が私を愛さない世界なんて、滅んでしまえばいい。でも、私が愛した女の娘であることを思い出してほしい。
 
 この後私が娘であることを思い出した父は、一体何を想うのだろう。それでも私の死を乗り越えて、私のいない世界で幸せに生きようなんて、そんなことは絶対に許さない。
 
「あははっ、誰も幸せになんてさせない」
 
 父と親子の会話をしてみたかった。父に抱きかかえられてみたかった。父に危ない行いはするなと叱られてみたかった。父に誕生日を祝われてみたかった。父ともっともっと、いや一度だけでもいいから家族として触れ合いたかった。
 
 最期まで未練がましい自分が嫌になる。叶うはずの無い願いだと頭で何度考えたか分からないのに。
 
「さようなら、私のお父様」
 
 それでも私にとって唯一の父が好きだった。それが私の最期の記憶―――。
 
 
 
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「なぜこんなにも辛い記憶を、また見せるの?」
 
 淡い光に包まれながら、当時の記憶を思い出して涙が止まらない。
 
「また、家族を望んでしまうじゃない」
 
 もう一度、父に会いたい。そして今度こそ娘として愛されたい。もっとジェニットのように振舞うから、だから私を見てほしい。
 
 終わりの来ない苦しみに泣き崩れたとき、私の頭上に何かが触れた気がした。それは今私が一番欲しい温もりで、まるで人がいるかのように頭に優しい声が響いた。
 
「ごめんね、ごめんね」
「愛してる」
「アタナシア、私の可愛い娘」
 
 死後の世界は現実ではありえないことが起こるのか、私が欲した幻聴かは定かでは無かったが、聞こえてきた言葉に大粒の涙が溢れた。
 
「お願い。今度こそ、陛下を救ってあげて」
 

 姿は見えないのに、この温もりが母の物であると思った。

「……あったかい」

 こうして私は母の願いに導かれたその先で、再び愛しい父と再会することになる。”かわいらしいお姫様”という哀しい物語の贈り物を母から授かり、今度こそ父の愛を手にするのだ。
 
 

END.


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SpecialThanks:リッタさん(@Ritta_obelian)、悲壮感溢れる素敵なアタナシアの絵をいただいたので、小説の締めに使わせていただきました~~~~最後まで世界観にぴったりの神絵をありがとうございました!!!

そして最後までお付き合いいただいたみなさま、本当にありがとうございます!!!わたしなりの「かわいらしいお姫様」の解釈を描き切れて大満足しています!そのあたりのお話は後日あとがきとして書きたいなと思ってます。

2件のコメント

匿名

泣きそうになりました…
残酷かもしれませんがもうひとりの翻弄され続けた姫の視点も見て見たいです

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